Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
それでも、さすがに、教えるひとは弟子に敏感なところもあって、周さんがこのごろ医学の研究に対して次第に無気力になって来たのを、何かの勘で察知なさるらしく、周さんをしばしば研究室に呼んで、何やらおこごとをおっしゃっている様子で、また、私も、その後二、三度、研究室出頭を命ぜられ、
「周君は、このごろ元気が無いようだが、何か思い当る事は無いか。」
「クラスの中で、周君に意地悪をする者はいないか。」
「研究の Thema に就いて、周君と相談したか。」
「解剖実習を、未だ内心いやがっているのではないか。日本の病人たちは、それが医学に役立つならば、死後の Leichnam の解剖など、かえって自分から希望しているくらいのものだ、という事をよく言い聞かせてやったか。」
など、うるさいくらいに質問の矢を浴びなければならなかったのである。そうして私は、それに対して、いつもいい加減な受け応えばかりしていた。周さんの医学救国の信念がぐらついて、そうして、日本の維新も、さらによく調べてみたら、それは一群の思想家の著述によって口火を切られたものだという事がわかって、しかし、周さんにはいまのところ、むつかしい思想の著述はおぼつかないので、まず民衆に対する初歩教育のつもりで文芸に着目し、ただいま世界各国の文芸を研究しています、なんて、そんな