Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
、先生にとっては全く寝耳に水のような実状を打明けたら、先生は、どんなに驚愕し、また淋しいお気持になられるかと思えば、愚直の私も、さすがに言葉を濁さざるを得なかったのである。それでも私は、いちどだけ、周さんに先生の御心配をそれとなく伝言してみた事がある。
「こんど藤野先生から、研究のテエマをもらって、一緒にやってみませんか。纏足の骨形状など、面白いんじゃないでしょうか。」
周さんは、幽かに笑って、首を振った。すでに、一さいを察しているようであった。その頃の周さんは、あの夏休み直後の、ひやりとするくらいの、へんに底意地の悪いような表情はしなくなっていたが、それでも、何か私たちと隔絶された世界に住んでいる人みたいに、たいていはただあいまいに微笑して、それに就いてまた、あの苦労性の津田氏など気をもんで、
「あいつ、どうかしているんじゃないか。下宿でも、つまらない小説本ばかり読んで、学校の勉強は、ちっともしていないんだぜ。あいつも、いよいよ革命の党員になったか、いや、それとも、失恋かな? とにかく、あんな工合じゃ、いけない。こんどは、落第するかも知れない。あいつは清国政府から選ばれて、日本に派遣されて来た秀才だ。