Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そうぞうりょく

想像力

宮本 百合子

Lesen Sie 想像力 (そうぞうりょく) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 768 Zeichen · 2 Bildschirme

Aozora Bunko

派出婦さんが、だんだん顔をあげて私を見て、笑顔になってものを云うようになった。そして、こんなことを話した。

「あたし、喧嘩する家はつくづく、やになっちゃうね」

夫婦喧嘩されると、どっちにどう云っていいのか分らないから困る。

「旦那さんと奥さんがガミガミ馬鹿にしてんのはいいけんど、奥さんが叱られると、きっとこっちへ当って来るから、ほんとにやになっちゃう」

旦那さんが細君にやられても派出婦なんかに当りちらさないが、細君はきっと当って来るものだそうだ。

「でも、御新婚なんかのところだと、あなたやきもちがやけない?」

「よくそう云われるけんど、あたしちっともそういう気持にならないわ。自分たちの仲だけのこんでこっちへ当って来ないもんね」

成程と、大いに笑って感服した。

この二十二歳の女は群馬の農村の娘である。この話をきいていると、熟した巴旦杏のような頬の色をした若い女が全く想像力をもたないたちだということを発見した。嫉妬の苦しさは想像がそこに生々しく参加するからだ。恐怖がそうであるように。この話はもう一つのことをわたしに教えた。彼女が、どんなに自分の働く条件そのものだけに自分の存在を区切って暮しているのかということについて。