Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆかいなきょうしつ
愉快な教室
佐藤 春夫
Lesen Sie 愉快な教室 (ゆかいなきょうしつ) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 10.276 Zeichen · 21 Bildschirme
「お父ちゃん、どこかへ散歩にでもつれて行ってよ」
「どこかへって、どこへ行きたいの」
「どこへでもさ、動物園へでも、公園へでもさ。日曜のいいお天気じゃないの」
「日曜のいいお天気でも、U子といっしょではね」
「じゃ、お母さんといっしょに行けばいいでしょ!」
とU子はすぐにやり返した。U子は父の日ごろの愛妻ぶりを見ていたのである。
この間も皇太子妃が新宮さまをお産み遊ばしたラジオで、皇子のご身長何センチご体重しかじかと宮内庁の発表を聞いていた若い女中が、「何センチと言えば、ここぐらいね」と胸の上あたりを指しながら「そんな大きなのがおなかのなかに入っていたら、ここまでも来て苦しいわね」
とM子に話しかけているのを聞いたU子はやにわに、
「何言ってるのよ! ばかな、赤ん坊というものは、こうしてまるくなっておなかのなかにいるのよ」
と身をこごめ腕をせばめて十も年上の人々に見せたと言う。そんな事を誰からも聞きおぼえる年ではなし、自分で考えたのであろうと感心したことである。
それでいてこの子は数の観念はほとんど無いのか、計算だけはす早く正確にできるのに応用問題となるとまるで駄目なのである。