Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme
やはりそれはたたった。たぶんその結果だった。
「おやあ、あんたも広島かね?」とさもうれしげに中年の巡査はいい、いっそう親身になった彼に私はそれから一時間以上もつきあわねばならなかった。小田という家はその二千番地台にとびとびに四軒あり、彼は、私をつれてまわってやるといいはじめたのだ。交番を出、仕方なく彼の雨合羽に半分入れてもらいながら、私は原爆後遺症の録音構成の仕事で行き、酒はうまかったなどと話さねばならなかった。
「そいでも、富子という女性はおらんかったがのう」と彼は首をかしげながらいった。絶対にまちがいはないのだと私はくりかえした。私は、そして不快げな寝呆け顔で応対に出てきたいく人かの男女たちのなかに、じっさいに富子に似た系統の顔もみつけたのだ。人びとはかならず複数で出てきた。だが、小田富子の顔はなかった。
四軒めの小田家の門を出ると、警官は長嘆息をして声をかけた。「やっぱり、もう引っ越しとったんですなあ、そうじゃないんかねえ」
「そうかもしれません」私は弱々しくこたえた。すでに私はほとんど酔いもさめて、結局私を富子に逢わせなかった天の配剤に、感謝めいた安堵すらおぼえていた。