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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

おれたちを送って、でもやはり六時までに帰営しなけりゃならない。当番の兵隊はだから皆ボヤいてばかりいるんだ」

「そんなことにも、いまに慣れるさ」どこか皮肉な声の調子で、兄がいった。トラックは出発した。すぐに速度をあげ、闇の中にエンジンは単調な唸りをたてはじめた。

「坊や、この次もあすこに坐っててくれるか?」安達はいった。「ペイを一挙、四百円にしてやる」

「ありがとう」と、彼はいった。

「ついでに、ドラムを覚える気はないかね」信二はだまっていた。

「なかなか筋がいいよ、あんた」

安達は鼻を鳴らせて笑った。信二はだまったまま目をつぶった。あたらしい習慣が自分にはじまろうとしている。彼はそれに耐えるように、いまごろ日本人の女たちが見せているだろう姿態を想像した。やつらはへっぴり腰で、大げさに腰をふりふり突貫する。女たちは呻き、汗をながして調子をとる。だが、それがどうしたのだ。要するにやつらは貯めた金を一週間ごとに絶え間なく溢れさす一箇の蛇口なのにすぎない。そんなことはどうでもよい、どうでもよい。思いながら信二は、固く奥歯をかみしめるようにして目をつぶっていた。

楽団は横浜のキャバレーが主な仕事だったが、そこでは信二はただ荷物を運んだり、譜を配ったりだけしていればよかった。