Japanische Klassiker mit Furigana
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ばしゃ
愛の挨拶・馬車・純粋小説論
横光 利一
Lesen Sie 愛の挨拶・馬車・純粋小説論 (ばしゃ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.699 Zeichen · 78 Bildschirme
」
そう由良は訊くと、勿論、それはしているが此の村へ来る使いの者は患者でも何んでもない、本当の心からの慈善のためにしている美しい婦人だと信者は云って、急に言葉を変えると、あなたはこの湯へよく来る人で筮竹を持って来る人のあるのを知らないかと訊き返した。それで由良はそれなら知っていると答えると、あれがつまりその婦人の父親で、東京から来たたいへんなあれは学者だと説明した。ではあの紳士に紹介された婦人はその奇徳な人であったのかと、由良は先日の婦人の美しくはあるがどこかに隠しきれぬ陰鬱なところのあったのを思い浮べて思いあたるところが多くなった。それにしても東京からわざわざこんな田舎まで来て、いかに慈善だからとはいえ、それほどまでにする婦人と父親との間には、何かそんなにしなければならぬ原因があるにちがいないと由良は思うと、ひどくあの美しい娘に興味が出始めたので、急につめよるように彼の傍へよっていった。
「それじゃあの学者はいつまでもここにいるんですね。僕は先日あの学者からその娘さんを紹介してもらいましたが、よくそれじゃああして尋ねてくるんですね。すぐここで僕は紹介されたんですがどうしてまたわざわざ東京からこんな所へ来たんです?」