Japanische Klassiker mit Furigana
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ばしゃ
愛の挨拶・馬車・純粋小説論
横光 利一
Lesen Sie 愛の挨拶・馬車・純粋小説論 (ばしゃ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.699 Zeichen · 78 Bildschirme
に後へ戻ろうかと思ったほど、一切が疑わしくなって来た。
その翌日、由良は一日学者の所へいくことはやめにして、部屋の中に引き籠っていたが、よく考えてみると、もともと信者の嫉妬がもとで学者のところへいくのを考え出したのだから、そんなことで折角親しくなった学者や花江を警戒し出した自分が馬鹿馬鹿しく思えて来たところへ、今日も今頃はもしかしたら花江が来ているかもしれないと思い始めると、もうそのまま一日とは引っ籠っていることが出来なくなって、また由良は学者のところへ出かけていった。すると、学者はコカインの白い粉を竹の先の綿につけては鼻の奥を掃除しながら、君の卦は当ったぞと云って、先日みた夢殿村の電車問題のことを話してきかせた。その話によると、何んでもあまり町の理事が頑強に反対し続けたので、とうとう夢殿村の患者達は結束して町へ乗り込み、その理事の家へ押しかけていったところが、理事は勿論、警官達も手で患者達をとめるわけにもいかず、まアまアということになってめでたく話はその場で解決したとのことであった。由良はその話を聞くと、町いっぱいに拡った患者達の雲のような顔の中から、花江の姿がいつもよりも活溌に浮んで来て、それなら定めし今頃は、花江も夢殿村で患者達に取り包まれて、祝盃を上げている頃であろうと思った。