Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あいはふしぎなもの

愛は不思議なもの

小川 未明

Lesen Sie 愛は不思議なもの (あいはふしぎなもの) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.862 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は、驚いて、目をさましました。すると、国から持ってきて、アトリエの壁にかけてあったマンドリンを手に持って、十七、八のみすぼらしいふうをした田舎娘が、それを鳴らしながら、自分の製作した彫刻の前に立って、その顔を見つめているのです。青年は、はっとしました。自分は、夢を見ているのでないかと、大きく目をみはりました。髪のこわれた、短い着物をきた田舎娘は、まぼろしでも、夢でもないように、はっきりと立っていたのです。

彼は、あまりのことに、いすから起きて、声をたてました。すると、たちまち、その姿はどこへともなく消えてしまいました。

「やはり、夢かしらん。いやこんなに、目を開けているのだから、夢じゃない。」

彼は、へやの中を見まわしますと、古い、糸の切れた、マンドリンは、ほこりのかかったまま壁にかかっていました。そして、月の光は、おぼろに、窓の外を照らしていました。彼は、その窓を開けました。春の夜は、静かに更けていました。どこからともなく、花の香りがただよってきたのです。