Japanische Klassiker mit Furigana
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かんかくのかいせい
感覚の回生
小川 未明
Lesen Sie 感覚の回生 (かんかくのかいせい) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.613 Zeichen · 4 Bildschirme
其処で、私は、眠ている祖母の傍に行って揺って起こそうとした。すると母は、『お前、昼眠をせんで起きているのか、頭に悪いから斯様熱いのに外へは出られんから少し眠て起きれ。』といって、また其儘眠ってしまった。私は、張合が抜けて父の室に行って見ると、新聞を読んでいた父もいつしか眼鏡をかけたまゝ、手枕をして眠っている。私は、父を揺り起そうとした。すると、『うるさい。少し眠かしてくれ。』といったぎり、また眠ってしまった。私は、全く、孤独であった。
熱い烈しい日光を冒して外に出て見たが、眼が眩むように、草も木も、すべてだらりと葉を垂れて、眤と光っている。此の平和の村は、何処の家も昼眠をしていると見えて、誰も、外に出ている人の姿を認めなかった。
『斯様、暑い日に外へ出るのはお前ばかりだ。』といった母の言葉が思い出された。
私は、語ろうと思ったけれど、友達がなかった。独りで桑圃のある方へ歩いて来ると、おはぐろ蜻蛉が、一疋頭の上を舞っている。私は、このおはぐろ蜻蛉は、どんな気持で、此の烈しい日光の中を飛んでいるかと思って、暫らく立止って眺めていると、極めて落付いて安心して、自分の考えるまゝに自分は自由に平気で飛んでいるのだといわぬばかりに、ひら/\と頭の上を飛んでいた。