Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

「朝は、眼玉焼きとおっしゃいましたが、半熟と、上から油をかぶせるのと、裏がえしにして一度ひっくりかえすのと、重ね焼きするのと、四通りございますが、どれにいたしましょう」

眼玉焼きに、そんなに種類があるとは初耳だった。賢夫人は、あれこれと考えたすえ、

「それじゃ、重ね焼きのほうを」

とおっしゃったが、眼玉焼きに、重ね焼きなんていうのはない。メードさんにテストされていたわけだったが、つまらないことをいったばかりに、この家の家族は、眼玉焼きにお近づきのないほど、貧窮していたのだと、これも、あっさりと見抜かれてしまった。

「それから、ガラス拭きのことですが、ボナミでやりますか。酢を入れた水でやりますか。それとも、アンモニア水でいたしましょうか。石鹸水でいたしましょうか。ヴィンテックス洗剤でいたしましょうか。ヴァキュウムでいたしましょうか」

「なぜ、そんなことを聞くんです」

「どちらさまにも、きまったやりかたがありますので、伺ってからいたしませんと、お叱りを受けることがございますんです」

「それゃ、そうね。うちじゃ、ずうっとヴァキュウムよ。あれでやってください」

床を掃除する、あの吸込式真空掃除機! 飛んでもない。