Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

瞳が青葡萄のように青いのに、髪が烏の濡羽色につやつやと光っている。

五十雄君はしゃがみこんで、赤ん坊の髪の毛をいじっていたが、

「これゃ、染めたんだよ」

といいながら、百々子のほうへ振返った。

「この赤ん坊の母親は、うるさい口のあるところで、肩身を狭く暮していたわけなんだね。それにしても、こんなところへ捨てて、どうしようというんだろう」

メードさんが怒ったような声でいった。

「ほんとに、なんてことをするんでしょう。こんなかあいらしい赤ちゃんを」

「それをいいだすと、むずかしいことになる。ともかく、交番へ電話をかけよう」

「交番? それで、この赤ちゃんはどうなるんでしょう」

「この前の捨子も、警察にたのんで、上野の幼児園へやってもらった。どのみち、われわれの手に合わないんだから、なまじっかなことをするより、そんなところへやるほうがいいんだよ」

「それはそうですわ。でも、今日は、なにかと、お忙しいんでしょう。落着くまで、二三日、あたしの部屋でお預りしましょうか。赤ん坊は、好きなほうです」

五十雄君は、メードさんの顔をみつめたまま、なにか考えていたが、

「君が、そうしたいと思うなら……でも、なんのために、そんな……」