Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

「お前、いま、なんとか言ったな。あとがあるなら、聞こう」

「SPを呼ぶといったが、それが、どうした」

「SPを呼んで、それから、どうする? おれたちを、縛らせるとでもいうのかよ。はっきり言ってみてくんな……おれたちは、ワニちゃんを遊ばせに来たんだ。SPに縛られるような、悪いことをしたおぼえはねえか」

「この家に、ワニなんて人間は居ない」

「ワニちゃんでは、通じねえか。そんなら、エルマーさんといったらわかるだろう……ご泰平な面をして突っ立ってねえで、お取次ぎをしろ。まごまごしやがって、小便をひっかけられんな、このチョビ髯野郎」

女達が、声をあわせて笑った。

むっとした顔で、石田氏がひっこみかけると、後ろから、

「兵六玉ァ」という痛快な声がかかった。

賢夫人が電話をかけたのだとみえて、そこへ警官が二人やってきた。

大将は、畜生ッ、巡査を呼びやがったな、どうするか見ていやがれ、と靴のままで式台に飛びあがって、大荒れに荒れたが、警官は、この家は代が変って、君達の友達はいないのだから、乱暴してはいけないと上手に揉みほぐし、束にして押しだしてしまった。

そのあと、百々子は、石田氏と二人で、六本木の安食堂でラーメンの夕食をすますと、帰るのが億劫になって麻布の家に泊った。