Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

パパなるひとは、当時、農大はじまって以来という秀才で、石田の家で書生をしながら苦学をしていたのを、うちのママが、あたしと婚約してくれるなら、かならず洋行させるからと、否応なしにマッシュ(マッシュド・ポテトのマッシュ、力づく、または理詰めで、無理矢理、婚約すること)してしまった。

アメリカの大学に留学中、気がかわって、合衆国美人と懇意になり、学位ひとつとらずに、ルンペンのようになって帰ってきた九万吉氏を、賢夫人は農林省の下級技官にしてやり、以来、休むときなく、鞭撻して、二十年がかりで、課長におしあげたのだそうである。

石田家における生活の合理主義は、抜目なく行き届き、石田氏の働きに応じて、食餌の内容や量を加減するところなどは、たしかに徹底したものであった。これは一例だが、復員後、農林省に革命が起き、石田氏は下級吏員の吊しあげにあって、課長から係長に下落すると、その日のうちに、扱いが変ってしまった。

石田氏は、毎朝、家を出るとき、賢夫人から外食券を一枚もらい、それで、朝昼、二度の用を足すほかなくなった。日比谷の外食券食堂で雑粉入りのスイトンを一丼とって汁だけ飲み、汁の実のスイトンは、家から持ってきた空の弁当箱へさらえこむ。