Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.981 Zeichen · 295 Bildschirme
「わたしあすアメリカに発ちますの、ひとりで」
と突拍子もなくいった。あまりの不意に細君は目を見張って顔をあげた。
「まあほんとうに」
「はあほんとうに……しかも木村の所に行くようになりましたの。木村、御存じでしょう」
細君がうなずいてなお仔細を聞こうとすると、葉子は事もなげにさえぎって、
「だからきょうはお暇乞いのつもりでしたの。それでもそんな事はどうでもようございますわ。おじさんがお帰りになったらよろしくおっしゃってくださいまし、葉子はどんな人間になり下がるかもしれませんって……あなたどうぞおからだをお大事に。太郎さんはまだ学校でございますか。大きくおなりでしょうね。なんぞ持って上がればよかったのに、用がこんなものですから」
といいながら両手で大きな輪を作って見せて、若々しくほほえみながら立ち上がった。
玄関に送って出た細君の目には涙がたまっていた。それを見ると、人はよく無意味な涙を流すものだと葉子は思った。けれどもあの涙も内田が無理無体にしぼり出させるようなものだと思い直すと、心臓の鼓動が止まるほど葉子の心はかっとなった。そして口びるを震わしながら、