Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
あるときは私は、わざと錠に釘をつき込んだとき、本堂の内部からガタガタ音させてそれとなく注意したが、ひょいと本堂の内部を窺うだけで、やはり錠を開けはじめるのであった。二、三度顔も見知っていたので、年寄を責める気にもならず、といって、記帳場(寺の事務所)へ告げる気にもならなかった。一つには中婆さんに娘もあったせいもあった。娘はせいの高い堅肥りのかなりな器量をもっていた。東京へ逃げて行ったこともあり品行も悪いという評判であったが、それとは反対に瑞瑞しい若さ美しさに富んでいた。
毎月十八日のお観音の祭日には、きっと親子揃ってお詣りにやってくるのであった。そして二人とも揃いも揃った一種の盗癖をもっていたのである。中婆さんはいつも手近に落ちている銅貨をたくみに膝頭に敷き込んでは、ふくら脛のあたりへ手をやっては、袂へ捩じ込んでいた。それは、たとえ隣によその人がいても、ちょっとの隙に礼拝するように板敷の上へ額をこすりつけている間に行われるので、たいがいの人には判明らなかった。
私は記帳場の重い戸板の節穴から、すべての参詣人が何をしているかということが、よく眺められるのを幸いにして、よく彼の娘を見ることができた。