Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
して、尾行者の有無をたしかめた。不意に垣根のところから手が出てくるような気がしたり、また、ふと靴音がきこえて来たりした。酒はさめかかっていたが、頭の底にからみついた疼痛がずきずきして、耳は絶えず早鐘のように鳴ったり、叫びごえが、ふいときこえたりした。ことに女の引き裂けたような金切声がありありと背後から叫び立てているような気がした。
夜は静かに更けてしっとりした雑草の囁きとともに、清水の流れのあたりには、青く澄んだ星の一つ一つが映っていた。私はハンカチを冷たい水にひたして、熱気のあるあたまをひたした。水の冷たさがあたまの熱をだんだんに醒ましてゆくに従って、私は今夜の出来事をまるで一つの夢のように、ずっと遠いところにあるような気がし出した。ああして挑み合った恐ろしい光景が、その理由が何であっても決して許されるものでないことを考えると、私は烈しい後悔のために、自分の生涯を汚したような気がした。ただ、あれらの出来事にかかわっただけでも、自分のなかに悪い兇暴なもののあるのを知った。
私は永い間清水の溜りにしゃがんでいた。からだの節節はひどく痛み出して、すぐ立って歩けそうにも思われなかった。