Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

明り窓から射す鈍い光線でよく見ると、二人ばかり拘留されているのが、時時、憂鬱な内部でむずむずと動いたりしていて、まるで檻の中の獣のように重重しく陰気であるばかりではなく、とき折、小さな控え目な咳をしたりするのが何となく不自然な気がするのであった。なぜというにその精悍な咳の音はあまりに健康で、こんな病的な暗い檻の中から起ってくるものとは思えないからであった。

この陰気な湿り気のある、蒸したような空気のなかに実に非常な沢山な蚊が群をつくっては私を襲うた。精神的にも肉体的にも弱点を持った人間を毎時もこうして襲うだろうと思われる蚊のむれは、私の足や手や顔や、そういう着物から外部へ出た肉体を目がけて、殆んど暴君のような逞しい勢いで払っている暇もなく襲ってくるのであった。しかも憎むべきこの蚊を見分けることのできないあたりの薄暗さは、刺してしまって痒さを感じたあとでなければ、それらを追い払うことができなかった。たとえば足の一部を払っている間に、こんどは頬のあたりを刺して来たりして、苛苛しい、しかしどうにもならない苦しさを感じるのであった。

私は彼の男を傷つけはしない。