Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

「きっといいことがあるわ。お前のように親切にしてあげるとね。」

姉は毎日のように花をかえたり、掃除をしたりしている私を褒めてくれていた。私は嬉しかった。こうした木の蔭に、自分の自由に作りあげた小さな寺院が、だんだんに日を経るに従って、小屋がけが出来たり、小さな提灯が提げられたりするのは、何ともいえない、ただそれはいい心持であった。何かしら自分の生涯を賭して報いられてくるような、ある予言的なるものを感じるのであった。私は毎朝、洗面してしまうと礼拝しに行った。ときとすると、あぐらをかいたお膝のところに大きな夜露がしっとりと玉をつづけていたりしていた。そのつぎに姉がいつも謹ましげにお詣りをしに来た。

ことに夜は森厳な気がした。木の葉のささやきや、空の星の光などの一切をとり纏めた感覚が、直接地蔵さんを崇拝する私の心を極めて高く厳粛にした。私はそこで、大きくなったら偉い人になるように熱祷するのであった。

不思議なことは、この地蔵さんを大切にしてからは、よく蟻などが地蔵さんのからだを這っているのを見ると、これまでとは別様な特に地蔵さんの意志を継いでいるようなものにさえ思われた。