Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
そのうち会ったときいろいろお話しします。
と書いてあった。私はこの葉書を大切によごれないように、机の引出しの奥にしまっておいた。姉のことを考えたり会いたくなったりしたとき、私はこれを出して凝然と姉のやさしい顔や言葉に触れるような思いをして楽しんでいた。
私はときどき隣の母の家へ行くと、きっと姉の室へ這入って見なければ気が済まなかった。いつも黙って、静かにお針をしている傍に寝そべっていた私自身の姿をも、其処では姉の姿と一しょに思い浮べることが出来るのであった。その室には、いつも姉のそばへよると一種の匂いがしたように、何かしら懐かしい温かな姉のからだから沁みでるような匂いが、姉のいなくなったこの頃でも、室の中にふわりと花の香のように漂うていた。私は室じゅうを見廻したり、ときには、小箪笥の上にある色色な菓子折のからに収ってある布類や、香水のから罎などを取り出して眺めていた。何故かしれない不思議な、悪い事をしたときのような胸さわぎが、姉の文庫の中を捜ったりするときに、ドキドキとしてくるのであった。
姉はさんごの玉や、かんざし、耳かき、こわれたピンなどを入れておいた箱を忘れて行ったのが、これだけがちゃんと置いてあった。