Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
私はそれを夏もやや暮れちかい涼爽な、どこか冷やかさをもった空気のなかに、じっと跼んできいていると、少年時代の微妙な生活を考え出すのであった。人間がどれだけ成長して行っても、いつも衰弱しきった、思索しつづけた心のそこに何時も湛えられているものは、あの少女のいまうたっている心境だ。それを思い出すことによって、しずかに、うっとりしてくる彼のたのしい瞬間だ。
私はその小さな花のような顔を見た。敏り深い聡明な清い瞳を見た。まるで蝗のようにはしこくデリケートな足や手や、それらが絶えず目まぐるしいほどよく運動しているのを見ると、この地上において、何者にも恐れることをしらない自由な、山嶽のなかに咲いたひとむれの花のようにさえ思われるのであった。
女の子と、その弟とは、人懐かしげに私の方にやって来た。そして総て中流に育った子供等のあどけない品のある悪びれない無邪気さで、寂しそうに立っている私にはなしかけるのであった。
「おじさんはそこに何していらっしゃるの。」
「あなたらの遊んでいるのを見ているんです。あなたはうたが上手ですね。」
私は微笑しながら言った。
「あたしよりね。