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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

ふじ子は時時私の室をたずねた。そして開け放した、寛大な花のような言葉を私に話してきかせた。そのあどけない微笑のうちに静かに私を落ちつかせるものがあった。私はもはや街へは永く出て行かなかった。夜も昼も室にばかり籠って、少しずつ創作を発表して行った。

創作は――主として詩の精神に没頭することは、苦しいながら一つの幸福であった。なにごともこの内にあっては、他からそこなわれるものがなかった。自由な空気はあたらしい私の生命をよび醒させた。

ふじ子はよく言った。

「おじさんはいつもちゃんとお坐りしているのね。」

ときには、彼女はその生れた鹿児島の市街からやや離れた自家のことを話しすることがあった。

「鹿児島はちっとも雪がふらないの。毎日温かくていいの。大きなボンタンが実ってよ。そりゃ大きいのがあるわ。こんなのがあるわ。」

少女らしく昂奮して、手で大きさを示したりなどした。濃やかな緑葉のあいだに、輝いているボンタンの重い美しい黄金色の実を、かの女は目にちらちらと思い浮ばせながら話した。

「それからお家のうらの山に、蜜柑なんかいっぱい実っていて、私だって採れるような低い枝もあるの。