Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
そこへ表から踊り込んだ男があった。大学の制帽を被っていたが、だいぶ飲んで来たらしく胸が拡がってかなり酔っていたらしかった。
「君達に一杯あげよう。酒は一人じゃつまらない。」
その大学生は徳利を持って、私達についで廻った。こうした酒場にありがちな、だらしのない飲み仲間が得て出来るものであるが、この晩もみんな酔って訳の判らないことを饒舌りながら騒いでいた。
そこへ遊び人風な、日焼けのした、下駄のように粗雑な感じの男が、その妻らしい厭に肥った女をつれて這入って来た。間もなく酒が遅いとか何とか言って、可愛想な少女を脅かしつけていた。そういうとき、彼女はかなりに慣れていたけれど、その目は悲しそうにむしろ対手を静かに慎しませるような表情をするのであった。
「早くしてくださいな。なんてのろまな子だろう。」
その妻らしい女も言葉を添えた。
少女は、ちらとその妻らしい女に目をくれたが、すぐまた悲しそうに「そんなに言うものじゃありません。」とでも囁くような目をした。まもなく例の微笑をたたえて奥の方へ酒をとりに行った。
「あんなに叱らなくてもよさそうだね。あの子に何のつみがあるものか。