Japanische Klassiker mit Furigana
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あるれんあいしょうせつ
或恋愛小説
Lesen Sie 或恋愛小説 (あるれんあいしょうせつ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.756 Zeichen · 10 Bildschirme
――音楽家の達雄と懇意になった以後、次第にある不安を感じ出すのです。達雄は妙子を愛している、――そう女主人公は直覚するのですね。のみならずこの不安は一日ましにだんだん高まるばかりなのです。
主筆 達雄はどう云う男なのですか?
保吉 達雄は音楽の天才です。ロオランの書いたジャン・クリストフとワッセルマンの書いたダニエル・ノオトハフトとを一丸にしたような天才です。が、まだ貧乏だったり何かするために誰にも認められていないのですがね。これは僕の友人の音楽家をモデルにするつもりです。もっとも僕の友人は美男ですが、達雄は美男じゃありません。顔は一見ゴリラに似た、東北生れの野蛮人なのです。しかし目だけは天才らしい閃きを持っているのですよ。彼の目は一塊の炭火のように不断の熱を孕んでいる。――そう云う目をしているのですよ。
主筆 天才はきっと受けましょう。
保吉 しかし妙子は外交官の夫に不足のある訣ではないのです。いや、むしろ前よりも熱烈に夫を愛しているのです。夫もまた妙子を信じている。これは云うまでもないことでしょう。そのために妙子の苦しみは一層つのるばかりなのです。