Japanische Klassiker mit Furigana
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せんそうざっき
戦争雑記
徳永 直
Lesen Sie 戦争雑記 (せんそうざっき) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.149 Zeichen · 25 Bildschirme
級長の上野が、私より学力が劣っていてどうだとか、なんて云って私を煽てる同級生もいたのだが、私にはそんなことはどうでもよかった。どうせ、中学にゆけるんじゃなし、四年を卒業したらはやく何処かの工場に出て、おあしをとらなければならぬと思っている私には、そんなことはまったく、気疎い話であった。
その年に、母は赤ん坊を産んだ。私達は兄妹五人となった。産れた男の子を、子守りするために、私は学校を休む日が、まえより多くなった。ともすると一週間ぐらいぶっとおしに休むことがあった。
それでも、私は学校がきらいではなかった。末の弟を、ねんねこ背負して、裏脊戸あたりに佇ずみながら、いろんな本を読むのが好きであった。国語の教科書でも、講談本の賃貸本でも、古い婦人雑誌など、かなひろいでよく読んだ。それに音読するのが得意であった。講談本なぞ、幾様の音律を附けて、岩見重太郎の大蛇退治でも、八犬伝でも、寛永三馬術でも、近所の人達が聴きに来ると、得意になって読んだものである。
夜になると、屹度、私は三席か四席ぐらいは読ませられた。二回目の残飯が、担われてくるので、近所の人達や、たわし売りのお吉さんや、灰買いの重どんや、片腕の熊さんなどが、或ものは飯を持って帰ってから引返して来るもの、或るものは、上り框にならんで腰をかけて、預けてある剥げ