Japanische Klassiker mit Furigana
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ピッチャーさつじんじけん
投手殺人事件
Lesen Sie 投手殺人事件 (ピッチャーさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.243 Zeichen · 57 Bildschirme
君の契約金百万、葉子への前貸し二百万という内訳だ。君の百万という契約金は少い額だとは思わないが」
「御厚意は感謝します。少いどころか、新人のボクに百万の契約金は有難すぎるお話ですが、しかし、ボクもムリと承知で、三百万で身売り先を探しているのです。葉子さんに迷惑かけては、男が立ちません。どんな不利な条件で、たとえば、一生球団にしばられてもかまいませんから、三百万の契約金が欲しいんです」
「なるほど、そうか。君がその覚悟なら、又、話は別だ。それでは、君の意向を社長につたえて、相談の上、返事するから、待っていてくれたまえ。君は、すでに、よその球団へ口をかけていたのか」
「いえ、まだ、どこといって、球団を指定していやしませんが、元夕刊スポーツの婦人記者の上野光子が、関西方面で、フリーの女スカウトの看板をあげてるんです。どこの球団にも所属せず、顔を利用して、ワタリをつけるというわけです。昨夜、上野光子に会って、希望をつたえたのです」
「ふウン。悪いのに、たのんだなア」
大鹿は煙山に顔を見つめられて、あかくなった。
「どうにも、仕方がなかったのです。ボクはまだプロ一年生で、球団にワタリをつける方法の心当りがなかったものですから」