Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ピッチャーさつじんじけん

投手殺人事件

坂口 安吾

Lesen Sie 投手殺人事件 (ピッチャーさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.243 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

上野光子といえば、球界では名題の女であった。女学生時代はバレーか何かの選手だったというが、五尺四寸ちょッとの素晴らしい体躯、肉体美人だ。好試合を追って、東奔西走、夕刊スポーツに観戦記をものして、スポーツファンの人気を博していたが、選手たちに対しては、怖ろしくニラミの利く存在だった。というのは、一流選手の大半は光子の誘惑の魔手にかかって関係を結んでおり、それを種におさえつけられているからであった。彼女に内幕をあばかれると、たいがいの名選手が家庭争議を起して、神経衰弱にならざるを得ない。

そのニラミをきかせて、フリーの女スカウトをやりだしたのだ。大鹿が顔をあからめているところをみても、彼も亦誘惑にまけた一人だと見当がつくのである。

「光子はこの隠れ家を知っているのだね」

「いえ、この家は葉子さん以外は誰も知りません。上野光子とは外でレンラクしているのです」

「そうかい。それは、よかった。光子がカクサクしても、三百万という大金はどこの球団もださないと思うが、かりに、その口があったにしても保留しておいてくれ。すぐ返事をもってくるから」

「ハ。では、お待ちしています。