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Japanische Klassiker mit Furigana

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そうわ

挿話

徳田 秋声

Lesen Sie 挿話 (そうわ) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.544 Zeichen · 53 Bildschirme

Aozora Bunko

兄は道太に尋ねたりした。

「ええちょっと人を避けているんで」道太は笑いながら答えた。

道太はここにいてほしいような兄の気持は解ったけれど、一つ家に寝起きをしていれば、絶えず接近していなければならないし、人の出入りの多いのに、手数をかけるのも忍びないことであった。それに山でもそうだったように、看護や食べもののことについて、出すぎた世話をやいたりしてもいけないので、少し離れている方がいいと思った。

その後も、花を生けに行く辰之助と連れ立って見舞いに行ったが、病状には目立った変化もなかった。どうかすると、兄は悶えながら起きあがって、痩せた膝に両手を突きながら、体をゆすりゆすり苦痛を怺えていた。

「人の知らない苦労するよ」

我慢づよい兄の口からそう言われると、道太は自分の怠慢が心に責められて、そう遠いところでもないのに、なぜもっと精を出して毎日足を運ばないのかと、みずから慚じるのであった。それにもかかわらず、少し勉強しすぎた道太は、この月こそ、旅で頭脳の保養をしようと思っていたので、毎日辰之助に電話をかけてもらいながら、つい出るのを億劫にしていた。

そんな話をしているところへ、届けてきた月並を、お絹は菓子器に盛って、道太の前へ持ってきた。