Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

とらわれびと

捕われ人

小川 未明

Lesen Sie 捕われ人 (とらわれびと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.311 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

この三人の悪者の眼は等しく異様に光って、絶えず物に注意して、大きく飛び出ているように見えた。で、何の顔も垢と日に焼けて黒く光って鉛色をしている。黒い服を着た隊長らしい男だけ頭に何か古ぼけた羅紗の破れた帽子を被っている。褐色の服も、今一人の黒い服を着た鼻筋の太い悪者も帽子を被っていなかった。やはり三人は無言である。ただゴシゴシと砥石に鉞の刃の喰い込んで磨れる音が耳に入った。今三人の悪者の眼は等しく砥石と鉞の上に集められた。等しく三人の心は砥石の上に向けられている。この時全く忘られて一人、後方の土の上に湿っぽい荒莚の上に坐らせられて、両手を縛られた男は淋しく頼りなく見られた。

たとえ鎖で縛れていないにせよ、三人の悪者が此方に注意していないにせよ――何うしても逃げ出されないのだ。四面とも切り落したような峻嶺である。とてもこれを攀って逃ることは六ヶ敷い。今他から突如として援けに来る人がなくては、とても援からぬ命である。この男が何処かで捕われて、此処まで連て来られた間には、いろんな嶮しい処を通って来たであろう――普通の人の歩めぬ処へ来た時に――何うしても足の踏み出せない処へ来た時に三人の悪者が無理にこの男を引摺って後方から追立て、それでも歩めない時には小言をいいながら、荷物か何か運ぶように担いで持って来たことであろ