Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
とらわれびと
捕われ人
小川 未明
Lesen Sie 捕われ人 (とらわれびと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.311 Zeichen · 9 Bildschirme
う。――また男はこの場合にこういうことを思い出したであろう。――家の者は今頃自分が斯様山奥で悪者に命を取られるということなどは知るまい。――この山奥に悪者が住んでいるという噂は聞いたことがあるが誰でも真実にしたものがなかった。またこういう噂は聞いたことがある。悪者等が人の生血を絞って、染物をやり、その染物を海の上で売買するということも聞いた。また人間の脳味噌と骨を砕いて丸めた薬を造ると聞いた。また生胆を売りに出るということも聞いた。――其等の薬は何でも遠くへ行って、旅へ出て売るということだ。けれど人の噂に聞いていたことで、実際にあることだとは思われなかった。
猟に出かけて、途を違えて、この山奥に迷い込んで二日も木の根を枕にして宿って、今朝の暁、この悪者等に捕えられたまでは、全く夢のような話だと思っていた。
捕われ人の頭には、いろいろと捕われた当時の有様などが彷彿として浮き出た……。
ゴシリゴシリと鉞を磨ぐ音が耳に入る。若者は空想から破た。この時悲哀な声で研手の悪者が歌い出した――その声は寂然とした山谷に響く。
海が光るぞよ 血染の帆風 黄色い筈だ 月が出る