Japanische Klassiker mit Furigana
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つめ
探偵クラブ 烙印
大下 宇陀児
Lesen Sie 探偵クラブ 烙印 (つめ) von 大下 宇陀児 (おおしたうだる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.509 Zeichen · 103 Bildschirme
そこは、襖一重向うのお部屋とは、世界を別にする程、しんとした夢のような闇ではあったけれども、閉め切った襖と柱との間に隙があって、そこから流れ込む光線のために、微かな明るみが漂っている。その明るみのうちに伯太郎は、押入れの一番奥の壁が、ひょいと開きかかっているのを見付けたのだった。
「あら!」
伯太郎はいった。そうして、蒲団の山を這い越して、その壁の傍へ行き、にゅうっと首を突き出して見た。
すると、壁だと思ったのは、不思議にも蝶番いのついたドアであって、そのドアの向うに、これもどこから光線が入るとも知れず、薄ぼんやりとした、闇の廊下があるのであった。
伯太郎は、今までに、こうした廊下があることを少しも知ってはいなかった。伯太郎ばかりではない。邸の中の大人達さえ、多分、気が付かずにいたことであろう。その廊下は、最初にここの邸を建てた或る富豪か、もしくはその次に住んでいた外国人かが、何かの必要に応じて、巧妙に作った秘密の廊下であるらしかった。廊下を挟んだ両側の室から見るというと、何の変りもない一重だけの壁が実は二重の壁になっていて、その間に廊下が作ってあったものらしい。