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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんていしょうせつのしょうたい

探偵小説の正体

夢野 久作

Lesen Sie 探偵小説の正体 (たんていしょうせつのしょうたい) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.807 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

探偵小説はジフテリヤの血清に似ている。ジフテリヤの血清をジフテリヤ患者に注射するとステキに利く。百発百中と云ってもいい位おそろしい効果を以て、ジフテリヤの病源体をヤッツケてしまうらしい。

それでいてジフテリヤの病源体はまだ発見されていない。近代医学の威力を以てしても正体が掴めないでいる。つまり薬の方が先に発見されているのに、病気の正体の方が判明しないので、裁判が確定しているのに、犯人が捕まらないみたいな恰好になっている。一種のナンセンスと云えば云える状態である。

探偵小説の正体も同様である。

探偵小説を欲求する心理の正体を掴むことその事が既に一つのこの上もないナンセンスであり、ユーモアであり、冒険であり、怪奇であり、神秘であり……何かみたいである。

探偵小説の正体を探偵するとはこれ如何にである。

事実……探偵小説の興味の本体がどこに在るかを探り出すことは中々容易でないらしい。

探偵小説と貼紙をした古屑籠の蓋を取ってみると、怪奇、冒険、ユーモア、ナンセンス、変態心理といったような読物の妖怪変化が、ウジャウジャと押し合いへし合いながら巣喰っている。