Japanische Klassiker mit Furigana
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ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
Lesen Sie 播州平野 (ばんしゅうへいや) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.683 Zeichen · 214 Bildschirme
そして、リュックの中を整理しているところへ、支店長が、艶のいい顔色で帰って来た。
「やあ、どうも、昨夜は失礼しました。私はおかげさんで、立派な夜具にねかせてもらってぐっすり眠って大助りしましたが……」
まだそこに置かれている大盥に目をとめた。
「こんなに洩ったんですか」
「ええ。夜じゅう、電燈なしだったし。あっちへ泊っていらして、却ってこちらもよかったわ。ところで、トラック、どういう工合です?」
「ああ、トラック」
なぜか、支店長はかすかにあわてた。
「我々が店まで行けば、すぐ何とかすることになっています」
「じゃあ、早く御飯たべなくちゃ」
「ああ、私はもうすんで来たですよ」
「それじゃ、なお大変だわ。下じゃ、一部屋ずつの御飯を別々にたいている始末なんですから……」
台所へ下りて見た。五つばかりの孫娘がおき出して、甘えながら何かせびっている。野菜売りの女が来ている。その土間の隅で、ひろ子の分の飯はやっとふきはじめたところである。
「御飯が出来るまでに、すっかり仕度してしまいましょう」
三十分ばかりすると、若い者が、支店長の荷物とひろ子のリュックとを自転車にのせて店まで運んだ。