Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほうろう

放浪

織田 作之助

Lesen Sie 放浪 (ほうろう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.614 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

送り出されて、もう外は夜であった。廓の中が真昼のように明るく、柳が風に揺れていた。大門通を、ひょこ/\歩いた。五十銭で書生下駄を買った。

鼻緒がきつくて足が痛んだがそれでもカラカラと音は良かった。一遍被ってみたいと思っていた鳥打帽子を買った。一円六十銭。おでこが隠れて、新しい布の匂がプン/\した。胸すかしを飲んだ。三杯まで飲んだが、あと、咽喉へ通らなかった。一円十銭。うどんやへはいり、狐うどんとあんかけうどんをとった。どちらも半分たべ残した。九十二銭。新世界を歩いていたが、絵看板を見たいともはいってみたいとも思わなかった。薬屋で猫○○を買い天王寺公園にはいり、ガス灯の下のベンチに腰かけていた。十銭白銅四枚と一銭銅貨二枚握った手が、びっしょり汗をかいていた。順平に一眼会いたいと思った。が、三十円使いこんだ顔が何で会わさりょうかと思った。岸和田の駅で置き捨てた車はどうなっているか、提灯に火をいれねばなるまい。金造は怖くないと思った。ガス灯の光が冴えて夜が更けた。動物園の虎の吼声が聞えた。叢の中にはいり、猫○○をのんだ。空が眼の前に覆いかぶさって来て、口から口から煙を吹き出し、そして永い間のた打ち廻っていた。