Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうろう
放浪
織田 作之助
Lesen Sie 放浪 (ほうろう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.614 Zeichen · 47 Bildschirme
旅館の法被を羽織り提灯をもったオイチョカブの北田が、例の凄みを帯びた眼でじっとこちらをにらんでいたのだ。兄貴! 兄貴! とわめきながら船を降りた。北田は暫くあっ気にとられて物も言えなかったが、順平が、兄貴わいが別府へ来るのんよう知ってたナというと、阿呆んだら奴、わいはお前らを出迎えに来たんやないぞ、客を引きに来たんやと四辺を憚かる小声で、それでも流石に鋭くいった。
聞けば、北田は今は温泉旅館の客引きをしており、小鈴も同じ旅館の女中、いわば二人は共稼ぎの本当の夫婦になっているのだという。だん/\聞くと、北田はかねてから小鈴と深い仲で、その内に小鈴は孕んで、無論相手は北田であったが、北田は一旦はいい逃れる積りで、どこの馬の骨の種か分るもんかと突っ放したところ、こともあろうに小鈴はリヽアンへ通っていた表具屋の息子と駈落ちしたので、さては矢っ張り男がいたのかと胸は煮えくり返り、行先は別府らしいと耳にはさんだその足で来てみると、いた。温泉宿でしんみりやっているところを押えて、因縁つけて別れさせたことは別れさせたが、小鈴はその時――どない言いやがったと思う? と、北田はいきなり順平にきいたが、答えるすべもなくぽかんとしていると、北田は直ぐ話を続けて――わては子供が可哀相やから駈落ちしたんや。