Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶんだんのすうせい

文壇の趨勢

夏目 漱石

Lesen Sie 文壇の趨勢 (ぶんだんのすうせい) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.068 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

近頃は大分方々の雑誌から談話をしろしろと責められて、頭ががらん胴になったから、当分品切れの看板でも懸けたいくらいに思っています。現に今日も一軒断わりました。向後日本の文壇はどう変化するかなどという大問題はなかなか分りにくい。いわんや二三日前まで『文学評論』の訂正をしていて、頭が痺れたように疲れているから、早速に分別も浮びません。それに似寄った事をせんだってごく簡略に『秀才文壇』の人に話してしまった。あいにくこの方面も種切れです。が、まあせっかくだから――いつおいでになっても、私の談話が御役に立った試がないようだから――つまらん事でも責任逃れに話しましょう。

私が小説を書き出したのは、何年前からか確と覚えてもいないが、けっして古くはない。見方によればごく近頃であると云ってもよろしい。しかるに我が文壇の潮流は非常に急なもので、私よりあとから、小説家として、世にあらわれ、また一般から作家として認められたものが大分ある。今も続々出つつあるように思われる。私は多忙な身だから、ほかの人の作を一々通読する暇がない。たてこんで来ると、つい読み損って、それぎりにする事もあるが、できるだけは参考のため、研究のため、あるいは興味のため、目を通して見る。