Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶんしのせいかつ

文士の生活

夏目 漱石

Lesen Sie 文士の生活 (ぶんしのせいかつ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.660 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

幼穉な味覚で、油っこい物を好くと云う丈である。酒は飲まぬ。日本酒一杯位は美味いと思うが、二三杯でもう飲めなくなる。

其の代り菓子は食う。これとても有れば食うと云う位で、態々買って食いたいと云う程では無い。煎茶も美味いと思って飲むが、自分で茶の湯を立てる事は知らぬ。莨は吸って居る。一事止した事もあったが、莨を吸わぬ事が別に自慢にもならぬと思ったから、又吸い出した。余り吸って舌が荒れたり胃が悪くなったりすれば一寸止すが、癒れば又吸う。常に家に居て吸って居るのは朝日である。値段は幾らだか知らぬが、安いのであろうが、妻がこれ許り買って置くから、これを飲んで居る。外に出て買う時に限って敷島を吸うのは、十銭銀貨一つ投り出せば、釣銭が要らずに便利だからである。朝日よりも美味いか如何か、私には解らぬ。

家に対する趣味は人並に持って居る。此の間も麻布へ骨董屋をひやかしに出掛けた帰りに、人の家をひやかして来た。一寸眼に附く家を軒毎に覗き込んで一々点数を附けて見た。私は家を建てる事が一生の目的でも何でも無いが、やがて金でも出来るなら、家を作って見たいと思って居る。併し近い将来に出来そうも無いから、如何云う家を作るか、別に設計をして見た事はない。