Japanische Klassiker mit Furigana
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ふみほご
文放古
Lesen Sie 文放古 (ふみほご) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.105 Zeichen · 9 Bildschirme
あたしは何だか去年よりもずっと好さそうな気がしているの)音楽会はなし、講演会はなし、どこへ行って見るってところもない始末なのよ。おまけにこの市の智識階級はやっと徳富蘆花程度なのね。きのうも女学校の時のお友達に会ったら、今時分やっと有島武郎を発見した話をするんじゃないの? そりゃあなた、情ないものよ。だからあたしも世間並みに、裁縫をしたり、割烹をやったり、妹の使うオルガンを弾いたり、一度読んだ本を読み返したり、家にばかりぼんやり暮らしているの。まああなたの言葉を借りればアンニュイそれ自身のような生活だわね。
「それだけならばまだ好いでしょう。そこへまた時々親戚などから結婚問題を持って来るのよ。やれ県会議員の長男だとか、やれ鉱山持ちの甥だとか、写真ばかりももう十枚ばかり見たわ。そうそう、その中には東京に出ている中川の息子の写真もあってよ。いつかあなたに教えて上げたでしょう。あのカフェの女給か何かと大学の中を歩いていた、――あいつも秀才で通っているのよ。好い加減人を莫迦にしているじゃないの? だからあたしはそう云ってやるのよ。『あたしも結婚しないとは云いません。