Japanische Klassiker mit Furigana
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ふみほご
文放古
Lesen Sie 文放古 (ふみほご) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.105 Zeichen · 9 Bildschirme
けれども結婚する時には誰の評価を信頼するよりも先にあたし自身の評価を信頼します。その代りに将来の幸不幸はあたし一人責任を負いますから』って。
「けれどももう来年になれば、弟も商大を卒業するし、妹も女学校の四年になるでしょう。それやこれやを考えて見ると、あたし一人結婚しないってことはどうもちょっとむずかしいらしいの。東京じゃそんなことは何でもないのね。それをこの市じゃ理解もなしに、さも弟だの妹だのの結婚を邪魔でもするために片づかずにいるように考えるんでしょう。そう云う悪口を云われるのはずいぶんあなた、たまらないものよ。
「そりゃあたしはあなたのようにピアノを教えることも出来ないんだし、いずれは結婚するほかに仕かたのないことも知っているわ。けれどもどう云う男とでも結婚する訣には行かないじゃないの? それをこの市じゃ何かと云うと、『理想の高い』せいにしてしまうのよ。『理想の高い』! 理想って言葉にさえ気の毒だわね。この市じゃ夫の候補者のほかには理想って言葉を使わないんですもの。そのまた候補者の御立派なことったら! そりゃあなたに見せたいくらいよ。ちょっと一例を挙げて見ましょうか? 県会議員の長男は銀行か何かへ出ているのよ。