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Japanische Klassiker mit Furigana

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いけぶくろのかい

文藝別冊[総特集]岡本綺堂

岡本 綺堂

Lesen Sie 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.671 Zeichen · 149 Bildschirme

Aozora Bunko

与兵衛 これは勘平が切腹の糊紅だよ。

三津平 それが旦那、糊紅でないのですよ。

与兵衛 え。

五助 若旦那はほんとうに腹を切ったのでございます。

(与兵衛もおさきもおどろく。)

与兵衛 なに、ほんとうに腹を切った……。そ、それはどういう訳だ。ええ、誰かはっきりと口を利かないか。

(今まで黙っていた和吉進みいず。)

和吉 それはこういうわけでございます。みな様方も御覧の通り、六段目の幕があきまして、腹切りまでは滞りなく済みましたが、若旦那の勘平が刀を腹へ突っ込んで、手負いの台詞になってから、何だか様子がおかしくなったのでございます。

与兵衛 むむ。その手負いになってから、なおさら出来がいいと皆んなも褒めていたのだ。

和吉 その手負いの台詞まわしや思入れが稽古の時よりよっぽど念入りだとは思いましたが、ふだんから芝居上手の若旦那のことでございますから、大勢の見物を前に控えて、一倍気を入れてやっているのかと思って居りますと、どうもそれがだんだんおかしくなって来るので、わたくし達も不思議に思いました。

伊之助 わたしもそばで見ていながら、どうも様子が変だとは思いましたが、まさかこんなこととは夢にも気が付きませんでした。