Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

ぐなぐなな円っこいその手や足、いたずらに白いからだの凡ての部分、そういうものがただちに自由になるということ、その事実がいまもなお行われていることを考えると、かれは頭の至るところに或る疼痛さえ感じるのであった。それほど、このきらびやかな待合の通りでは彼の着物がみすぼらしく、溝板のような下駄をはいているのであった。誰もかえり見るものもなく、また、知合いとてもないのである。

その通りは、すべての都会にあるような混乱された一区劃で、新建で、家そのものさえ艶めかしい匂いとつやとをもっているのであった。ことに僅かばかりの石燈籠に寒竹をあしらったり、多摩川石を敷石のまわりに美しく敷き詰めたり、金燈籠からちらつく灯は、毎夜の打水にすずしく浮んでいるのを眺めるごとに、かれは乞食のようにその敷石の上を思わず知らずとんとん踏んで見て、わずかに心遣りをするのであったが。

「どなた!」と、まだ聞いたことのない卵のように円いなまめかしい声で呼ばれると、慌てて門へ馳け出しながら、吻と一と息つくのであった。そのような僅かな胸さわぎがいかに彼にとって珍しく、むず痒い快感によって思わず知らず微笑みを泛ばせたことであろう。