Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
笏には、その子があまりによく肖ているということばかりではなく、或る日なぞ、笏のところに訪ねてくる子供が、そこらあたりで影をなくしたことに、気を留めていたからであった。
その夕刻にも、笏は、にわかに自分の姿を匿そうとして、垣根に身をよせたが、その家の、なりの高いあるじに、すぐ見つけられてしまった。たびたび顔を合すが、お互いに顔をかくしあうようなことが多かったのである。
「あなたは何かこういつも用がありそうに私の家のまわりを歩かれるが……何か用事でもおありですか。それともただ歩いていられるばかりですか。」
笏と同じい年頃のその家の主人は、半好意をさしはさんで央けげんな人見知りな表情で、じろじろ笏の顔を凝見めた。
「いや、べつにお宅に用事はないのですが、妙な癖でこの道路をただ歩いてみたいだけで、ぶらついているのです。あやしいものではないのです。」
「あやしいなぞとは申しませんが、しかしあまりによくお見かけしますから……ついおたずねしたのです。」
この木彫を仕事にしている人の顔は、ねむげな腫ぼったい瞼といい、頬皺といい、どこか酒を飲みすぎた人によくありがちな、くろずんだ皮膚といい、一つとして笏の心に変な気が起さずにはいられなかった。