Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

ですから一向おかまいなしで毎晩庭へ出るのだそうです。

ある時、父親は不意に考えついて、娘の部屋の庭へ向っている障子ぎわに、金気のある錆びた棒を引いて置いたのです。父親は心で考えたことがあるため、そう遣ってみて娘が何かに憑かれているのか、それとも例の山中へ行ってから気が狂っているのか、そういうことを確めるためにそうしたのです。

ところがその晩障子が開いたには開いたが、その金の棒のあるために、きゅうに部屋の中へ這入って行ってしまって、再たと出てこないんだそうです。なぜというに、金気のあるものは憑きものに嫌われるからです。その翌晩もそうやって置いておきましたので、娘はやはり室のなかで、ざらざら変な音を立てて歩いているような様子だったが、出てくる様子とてもなかったのです。その翌晩も、そのまた翌々晩もその金の棒を引いておいたのです。――ところが反対に娘はこのごろになって以前よりずっと瘠せ、ずっと食べものを食べなくなったのです。ある日、父親がそばへ行くと、父親の顔をしみじみ眺めていましたが、不意に、あの鉄の棒をとって下さい、そうでないとわたしは息苦しくて仕方がありません、お願いですから鉄の棒を取りのぞいて下さいと父親にたのみました。