Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
何一つ人間として楽しみを逃さなかった。」
眠元朗のさびしい顔にはたぎって走るあらしのむれが、耳鳴りのするほど凄じくながれた。かれは娘を抱いて、そしてかれらは自然に両方のもたれ気味な姿勢が、最後にぺたりと砂原へ崩れるまで続けていた。
「お前はしょっちゅうお父さまにいろいろな話をききたがったが、しかしお父さんはお前になるべく遠い世の話をしようとしなかったばかりか、つとめてお前にその話を避けさせていたくらいだ。お前がどんなに人生に出たくとも、そのためどんなに寂しくともわたしはそれを考えようとはしなくて、そしてお前の心までいつまでも黙らせてしまったのだ。」
眠元朗は切ない苦しげな目で、娘に或る許しを乞う色をした。
「わたしはわたしばかりの事を考えていたのだ。お前というものがわたしの事情以外にも、何でこの世の中へ出てわるかっただろう? いや、お前はもっと早くにもっと素晴らしい人生へ出て行くべきであったに、わたしの頑なむしろむごたらしい気もちはこんなに永い間お前を封じていた。しかも今の今までお前の考えていたことまで、無理遣りに壊そうとしていた。娘よ、わるいものはわたし一人でお前でも、それからお前の母でもない――お前に退屈がやってくるなんてことは有り得ないことだ。