Japanische Klassiker mit Furigana
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つきよとうげ
文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会
水野 葉舟
Lesen Sie 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会 (つきよとうげ) von 水野 葉舟 (みずのようしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.285 Zeichen · 10 Bildschirme
その養父というのが、仲々の飲酒家で、固より資産の有る方ではないから、始終家産は左向であった。熊谷ではもしも養父が亡くなったら、相当な資産は与るといっていた。某もそれを楽みにしていたのである。
或る日のこと、熊谷の家、鴻の巣で寝ている筈の某が訪ねて来た。女の衣服の上へ法衣を被ていた。まことに異装であった。でも別に訝かることもなく、色々と話を交えた。それから、先ず寝転んで休むが宜いと隣の間へ導いて、二度目に行ったら最早見えなかった。で、聞き合わせてみようと思っていると死去の電報が来た。なお通夜の晩の話を聞いてみると、某は、生前懇意にしていた尼僧の許へも行っていた。時刻は、熊谷の実家を訪うたのより、少し前であった。尼僧に御無沙汰挨拶をして、それから、法衣を借してくれと云った。尼僧も別に怪しいと思わず貸して与ったら、女衣服の上にそれを着て出て行った。少し時間を経た時分に、用事を済ませて来た、ありがとうとその法衣を返したから、尼僧はそれを床の間においた。死去の電報を手にした時に、法衣はと見たら、矢張返された時のままに床に置いてあった。
女衣服を着せたのは、永の病気に、重きは堪えられまじ、少しでも軽くしてやろうと、偶然にもその日それを着せたのである。