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Japanische Klassiker mit Furigana

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うきふね

文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集

泉 鏡花

Lesen Sie 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.938 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

「否、気分は初めから然したる事も無いのです。宝丹は道楽に買った、と云って可いくらいなんですが。」

爾時、袂へ突込んで、

「今の、螢には、何だか少し今度は係合がありそうですよ――然うですか、螢を慕ってお師匠さん、貴女格子際へ出なすったんだ。」

「貴方のお口から、そんな事、お人の悪い、慕って、と云う柄じゃありません。」

「まあまあ……ですがね、私が宝丹を買いに出たはじまりが、矢張り螢ゆえに、と云ったような訳なんですよ。ふっと、今思出したんです……」

「へええ。」と沈んだような声で言う、宮歳は襟を合せた。

「今度、当地へ来ます時に、然うです。興津……東海道の興津に、夏場遊んでる友だちが居て、其処へ一日寄ったもんです。夜汽車が涼しいから、十一時過ぎでした、あの駅から上りに乗ったんですよ、右の船頭が。」

「……はあ、可うございます。ほほほ。」と笑が散らぬまで、そよそよ、と浅葱の団扇の風を送る。指環の真珠が且つ涼しい。

「頂戴しますよ。」

と出してあった薄お納戸の麻の座蒲団をここで敷いて、

「小さな革鞄一つぶら下げて、プラットホームから汽車の踏段を踏んで、客室の扉を開けようとすると、ほたりと。