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Japanische Klassiker mit Furigana

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うきふね

文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集

泉 鏡花

Lesen Sie 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.938 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

「尤も、無縁なのを、……それに、成りたけ、折れたか、損じたかしたのをと誂えたんです。――見ましたがね、この塔婆は、随分雨露に曝されたと見えて、半分に折れていました。……」

「で、婦人だと分りましたか。」

「確です、(信女――)尤も、ささくれてはいましたが。――何か、貴方?……」

「いいえ。」

と、ややはっきりして、

「何でもありません……唯、此処へ来ます道に、線路の踏切がありましょう。……停車場から此方は、途中真暗でした。あの踏切のさきの処に、一軒氷屋がまだ寝ないでいましたが、水提灯が一つ、暗くついただけ、暖簾は掛ばなしで、誰も人は居ないのです。檐下に、白と茶の大きな斑犬が一頭、ぐたりと寝ていました。――あの大坊主と道づれでしたが。……彼奴、あの調子だから、遠慮なしに店口で喚いて、寝惚声をした女に方角をききましたっけ。――出かかると、寝ていた犬がのそりと起きて、来かかる先へ、のすんです。――私は大嫌ですがね――(犬が道案内をするぞ、大先達の威力はどうだ。)ッて坊主は得意でいました。踏切がこんもりと、草の中に乾いた川のように、こう高く土手を築いた処で、その、不性たらしい斑が、急に背筋に畝を打って狂って飛上るんです。