Japanische Klassiker mit Furigana
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うきふね
文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集
泉 鏡花
Lesen Sie 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.938 Zeichen · 67 Bildschirme
うちわも扇も、ひらひらと動くのが見えて、僅に廊下から明りを取った並居る人顔も、朧を霞めて殆ど見分けのつかない真中処へ、トタンに首のない泥鼈の泳ぐが如く、不気味に浮上ったのは大坊主頭であった。
「分った、分った。――それ、いま発起人の言ったとおり、御銘々話を頼むぜ。……妖怪、変化、狐狸、獺、鬼、天狗、魔ものの類、陰火、人魂、あやし火一切、生霊、死霊、幽霊、怨念、何でも構わねえ。順に其処へ顕わかせろ。棍元教の大先達が、自在棒を押取って控えたからには、掌をめぐらさず、立処に退治てくれる。ものと、しなに因っては、得脱成仏もさして遣る。……対手によっては、行方が手荒いぞ。」
と煙草盆をガンと敲いた。
「女小児は騒ぐなよ。如何なるものが顕われようとも、涼しい顔で澄しておれ。が、俺がこう構えたからには、芋虫くさい屁ぴり虫も顕われて出はすめえ。恐れをなすな。うむ、恐れをなすな、棍元教の伝沢だ。」
「……もしもし。」
「大先達の伝沢だぞ。」
「もし、お先達。」
と俳優がすっきりと居直った。
「あなたのお気に入るか何うかは分りませんが、この会は、妖怪を退治たり幽霊を済度するのが趣意ではありません。