Japanische Klassiker mit Furigana
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みすじまちかいわい
斎藤茂吉随筆集
斎藤 茂吉
Lesen Sie 斎藤茂吉随筆集 (みすじまちかいわい) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.559 Zeichen · 37 Bildschirme
或る時は屠った仔牛を沢山積んで歩いていた。仔牛の屍の下半身が一列にぶらさがっている。下肢と尾が一様の或る律動で揺れている。その上段には仔牛の首の方が一列に並びいる。みんな目をつぶって舌が垂れている。そんな光景もあった。
大きな蹄が音立てて街上を踏んでいるのを見ると、寂しい留学生の心はいつも和んで来た。馬は或る時はらはらさせるほど賑かなところで悠々と黄いろな尿を垂れているのを、暫くながめていたこともある。そして、三軍疾く戦はば敵人必ず敗亡せむ。武王曰く、善哉。これでなければ駄目だ。こういってはしゃいだこともあった。
或る冬の朝、青い玉菜を山のように積んだ箱ぐるまを引いていた。何しろ玉菜の数が多くて、たかだかと虚空に聳えているような気がした。僕はこの光景にひどく感服した。ひとりの翁が車上にあって、二つの馬を馭している。鉄錆のような声で馬にものいっているが、その単調な語が留学生には分からない。馬の肩のところに頸圏が二つ並んで、その尖が上を向いているのは、馬に一種の威容を保たせている。僕は時々その頸圏のことも思った。
きょうも教室を出て玉菜ぐるまを見ようと思った。