Japanische Klassiker mit Furigana
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しゃよう
斜陽
Lesen Sie 斜陽 (しゃよう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.822 Zeichen · 176 Bildschirme
那で遊んだ頃の失敗談など語って、大陽気であったが、お母さまは、お弁当にもほんのちょっとお箸をおつけになっただけで、やがて、あたりが薄暗くなって来た頃、
「すこし、このまま寝かして」
と小さい声でおっしゃった。
私がお荷物の中からお蒲団を出して、寝かせてあげ、何だかひどく気がかりになって来たので、お荷物から体温計を捜し出して、お熱を計ってみたら、三十九度あった。
叔父さまもおどろいたご様子で、とにかく下の村まで、お医者を捜しに出かけられた。
「お母さま!」
とお呼びしても、ただ、うとうとしていらっしゃる。
私はお母さまの小さいお手を握りしめて、すすり泣いた。お母さまが、お可哀想でお可哀想で、いいえ、私たち二人が可哀想で可哀想で、いくら泣いても、とまらなかった。泣きながら、ほんとうにこのままお母さまと一緒に死にたいと思った。もう私たちは、何も要らない。私たちの人生は、西片町のお家を出た時に、もう終ったのだと思った。
二時間ほどして叔父さまが、村の先生を連れて来られた。村の先生は、もうだいぶおとし寄りのようで、そうして仙台平の袴を着け、白足袋をはいておられた。